長年連れ添った夫婦
50年以上連れ添った老夫婦、幸雄（ゆきお）さんと美智子（みちこ）さん。二人は幼馴染で、人生のすべてを共に歩んできました。彼らの庭には美しい植物が咲き誇り、幸雄さんはコスモス、美智子さんはゆりを愛していました。毎朝、二人は庭の手入れをしながら、穏やかな時間を共有していました。
悲しい知らせ
しかし、その平穏な日々は突然終わりを告げました。幸雄さんが末期の癌と診断され、余命3ヶ月と告げられたのです。息子の結婚式が控えている中での知らせに、家族は驚きと悲しみに包まれました。
息子の結婚式
幸雄さんの願いは、何とかして息子の結婚式まで生き延びることでした。家族全員が一丸となって幸雄さんを支え、美智子さんは夫の看病に全力を尽くしました。息子の結婚式の日、幸雄さんは弱った体でありながらも、笑顔で祝福の言葉を送りました。その瞬間、家族全員が涙を流しながらも幸せな気持ちで溢れていました。
最後の別れ
結婚式からわずか2週間後、幸雄さんは家族に見守られながら静かに息を引き取りました。彼の最期の言葉は「美智子、ありがとう。君のおかげでここまで来られた」という感謝の言葉でした。美智子さんは夫の死を深く悲しみながらも、彼の愛に感謝し続けました。
美智子さんの旅立ち
それから3年後、美智子さんも癌に冒され、夫と同じ道を辿ることになりました。彼女は庭のゆりの花を見つめながら、幸雄さんとの思い出を振り返り、静かに旅立ちました。
樹木葬の選択
幸雄さんと美智子さんの遺志を尊重し、家族は二人を樹木葬として送り出すことを決めました。幸雄さんのためにはコスモス、美智子さんのためにはゆりの花が植えられ、二人の魂が自然と一体となるように願いを込めました。
愛し続ける家族
樹木葬の傍らには、幸雄さんと美智子さんの子どもや孫たちが集まりました。彼らは毎年、樹木の元を訪れ、二人の思い出を語り合います。「おじいちゃん、おばあちゃんは、今でも私たちの心の中に生き続けている」と孫たちは口々に言います。
永遠の愛
幸雄さんと美智子さんの愛は、樹木葬を通じて自然の一部となり、永遠に続いています。二人の思い出は家族の心に深く刻まれ、世代を超えて語り継がれるでしょう。彼らの愛と共に、コスモスとゆりの花は毎年美しく咲き誇り、家族を温かく見守り続けています。
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